ショッピングカートに商品を入れたものの、購入が完了する前に離脱してしまうことを「カゴ落ち」といいます。
カゴ落ち率は、コンバージョン率や収益に直接的に影響するため、ECサイト運営者にとって重要なビジネス指標となります。カゴ落ち率の高さは、チェックアウトプロセスやユーザーエクスペリエンスに問題があることを示す共通の指標となります。
Baymard Instituteの調査によると、全業界の平均カゴ落ち率は69.57%です。つまり、10人の買い物客のうち約7人が取引を完了できていないことになり、多くのECサイトの担当者はこの数字を問題視しています。
内訳をみていくと、デバイスによってカゴ落ち率の平均値が異なり、モバイルとタブレット端末の割合が最も高くなっています。
また、業種によってもその率は異なります。以下はSaleCycleとStatistaの調査による、業種別の平均カゴ落ち率です。
カゴ落ちが原因で、ECサイトはなんと毎年180億ドルの売上高を失っていると報告されています。この数字からも、カゴ落ちがEC事業者にとっていかに大きな問題であるかがわかります。
ECサイトのカゴ落ちの状況を把握するために、カゴ落ち率を算出してみましょう。
カゴ落ち率を算出するには、購入完了数の合計を作成されたカートの数で割り、1から引きます。これを100で割って、パーセンテージ表記に直したものが、カゴ落ち率です。
例えば、作成されたカートが300個、購入完了が100個であれば、カゴ落ち率は67%となります。
Bayard Instituteが2021年に行った「カゴ落ちの理由」に関する調査によると、米国のオンラインショッピング利用者の58.6%が、過去3ヶ月以内に「ただ閲覧していただけ/購入する準備ができていなかった」という理由でカートを離脱していることがわかりました。このような理由から、ECサイトが最も重要視しなければならないのは、Webプッシュ通知やメール、メッセージなどでユーザーを再エンゲージメントすることです。
このようなユーザーの多くは、チェックアウトフローを開始する前に離脱してしまいます。この「ただ見ているだけ」というセグメントを除外し、残りの大きいな離脱理由を見ると、以下のような理由があります。
送料、税金、その他の追加料金は、必ずしもお客様が予想しているものではありません。カートで商品価格に手数料が上乗せされている場合、購入しようとしたユーザーの48%が購入を断念しています。
誕生日や電話番号のような時間のかかる項目は、オンラインで商品を購入するために不可欠なものではありません。そのため、カゴ落ちの約4分の1(24%)は、サイトがアカウント作成を求めたために起こっています。
ゲストチェックアウト・オプションや、顧客を記憶する高速チェックアウト・オプションを提供すれば、潜在顧客にとってこの問題を十分に解決することができます。
この理由は17%を占めています。オンライン・ショッピングで求められるのは、簡単で迅速なプロセスです。注目すべき点は、ほとんどのチェックアウトにおいて、デフォルトのチェックアウトフローでユーザーに表示されるフォーム要素の数を20~60%削減することが可能であることです。
処理を行おうとする人の18%が、自身のクレジットカード情報をショップに任せられないという理由でカートを放棄せざるを得ません。これは、個人情報流出事件が多発していることを考えると、納得のいく結果です。消費者の意識も慎重になってきているので、ECサイトは信頼できることを証明する必要がある。
チェックアウトプロセスの最適化だけでなく、Webプッシュ通知などのツールを使ってカゴ落ちを減らすことは、低コストでユーザーを再エンゲージメントする有効な方法となります。
カゴ落ち防止(カートリカバリー)プッシュ通知とは、顧客がカートに入れた商品、サイズ、色などの商品情報データを収集し、パーソナライズされたリマインダーをユーザーに送信し、購入を完了するように促します。注目すべきは、このプロセスが完全に手間いらずで自動化されていることです。
カートリカバリーには、Webプッシュ通知とメールの両方が有効ですが、Webプッシュ通知にはいくつかの利点があります。Webプッシュ通知は、購読者の端末で自動的に表示されるのに対し、メールは開封しなければ中身を見ることができません。メールの平均開封率が18%であるのに対し、Webプッシュ通知の平均閲覧率は45%というデータもあります。そのため、1通あたりのクリック率は、Eメールが2%であるのに対し、Webプッシュ通知は5%と高くなります。また、ユーザーがメールを見つけ開封するまでの時間差があるのに対し、Webプッシュ通知はリアルタイムで閲覧されます。カートリカバリーのためにはタイミングが重要なので、推奨される1時間以内にメッセージを閲覧してもらうことが効果を高めることになります。CTRが高く、リアルタイム性があるため、Webプッシュ通知には適しています。
PUSHCODEでは、ECサイトで簡単に導入できるカゴ落ち防止通知サービスを提供しています。設定はすべて管理画面から簡単に行うことができます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。